2012年7月29日日曜日

出産と更年期障害の関係

生理(月経)は何で起こるのか知っていますか? 生理は「赤ちゃんを受け入れるための血液のベッドが、受精・着床がなかったため、身体の外に出てくる事」です。生理が始まるまでは、身体の中で、女性ホルモンがたくさん作られています。しかし、受精・着床がないと、女性ホルモンがなくなり、子宮内膜が維持できず、外にでてきてしまうのです。

 妊娠中の女性ホルモンはどうでしょうか?妊娠すると、生理が止まります。女性ホルモン(エストロゲン)がどんどん作られて、子宮内膜はどんどん厚く大きくなっていきます。これが胎盤です。エストロゲンは、排卵するまでは卵巣で作られていますが、排卵後、受精・着床すると胎盤で作られるようになります。そして、胎盤が大きくなるのに合わせて出産まで、分泌されるエストロゲンはどんどん増えていきます。

 出産直後、胎盤も身体の外に出てきます。そうすると、エストロゲンの体内濃度は急降下!そして、エストロゲンのかわりに、オキシトシン・プラクチンという母乳の分泌に関わるホルモンが作られるようになります。
このホルモンは、母乳を赤ちゃんにあげている限り作られ、エストロゲンは作られません。 このように、産後の身体の中ではホルモンバランスが一気に変わります。そのため、気分の落ち込みだったり、イライラしたりという風に、心のバランスも崩れることがあります。このエストロゲンが作られなくなるというのは、いわゆる更年期障害の時のホルモンの変化と同じです。

更年期は段階を経て減少していくのに対して、産後は劇的に減少します。産後、さまざまな不調、具体的には気分が落ち込んだり、急に汗が吹き出たり、めまいがしたり……など、更年期障害の症状に見られるものを経験する人は多いです。
 具合が悪い時には、あまり無理をせず、イライラしても「こんなにイライラするなんて母親失格!?」と自分を責めずに、「ホルモンバランスが崩れてるから、しょうがないね」と割り切ってしまう方が良いかもしれません。
出産された女性のみなさん、本当にお疲れさまでした。産後の身体の変化、心の変化に戸惑う気持ちや苦しく思う事もあるかもしれませんが、ゆったり、のんびりした気持ちもどこかで持って、あまり悩まないようにして下さいね。